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2018年3月28日

おばあちゃんが往復4時間かけて病院へ それよりも大変なこととは? 地域課題の解決ノウハウを学ぶ!

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2018年2月下旬、東京・田端のGAホールで『徳島県地方参入ビジネスセミナー』が開催された。主催は、「四国の右下」若者創生協議会、徳島県、美波町、海陽町、株式会社あわえ。地域にあるさまざまな課題をビジネスとして解決したいと考える企業を対象に、そのノウハウを紹介した。最初に登壇したのは、あわえの酒井大輔氏。その講演内容をレポートする。

アジェンダ

  • おばあちゃんが往復4時間かけて病院へ それよりも大変なこととは?
  • 企業の新規事業開発と地域課題の解決 成功のためのノウハウの違いとは?
  • 徳島にサテライトオフィスを開設する企業をセミナーで発掘

 

おばあちゃんが往復4時間かけて病院へ それよりも大変なこととは?

 

講演の冒頭で、酒井氏は、地域課題の解決は、企業にとって「単なるCSR」か「大きなビジネス」のどちらだと思うかと、来場者に質問を投げかけた。多くの地域・地方自治体では、現在、過疎化と少子高齢化が緊急の課題。だが、それ以外にも課題は散在している。酒井氏は、徳島県美波町が抱える課題を3点紹介した。

地域課題の解決は、単なるCSRか、大きなビジネスか
地域課題の解決は、単なるCSRか、大きなビジネスか

 

一つ目は、交通インフラの課題。酒井氏が、美波町のおばあちゃんと話をした時、あらためてその課題を実感したという。そのおばあちゃんは週1回、往復4時間かけて徳島の病院まで通っている。おばあちゃんに「遠いし大変だね」と話すと、おばあちゃんは「それほど大変じゃない」と答えた。「むしろ、たまに起こるめまい。この時の方が大変」。「美波町には救急車が1台しかない。単なるめまいで救急車を呼ぶのは申し訳ない」と続けた。「もし救急車を呼んで病院に向かう間、自分より重症な人が出たら大変。そう思うと救急車は呼べない、タクシーで病院に行く」とした。タクシー代は12000円で、年金暮らしのおばあちゃんには大変な出費だ。

次いで買い物難民課題。地方では車社会が当たり前で、車を持ってないと買い物に苦労する。地方の田舎には商店もあまりない。さらに時期によっては品揃えに限界も出て、欲しいものが買えない時もある。「地方によってはキャベツが1200円で売られているケースもある」とした。

そして、子供の教育問題。子供の人数は減少傾向のため、先生の数も減らさざるを得ない。残った先生は、少ない人数で多くの科目を教える必要性が出てくるので負担も重い。さらに、どうしても広く浅くなってしまうため子供たちに専門性が身につかないと指摘する。

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企業の新規事業開発と地域課題の解決 成功のためのノウハウの違いとは?

 

これらの課題を解決したいと考える企業は多い。その一環として、地方のサテライトオフィスを利用する企業も増えている。しかし、失敗して東京に戻る企業も多いとした。その要因として、酒井氏は、「企業が通常行っている新規事業のアプローチ手順を地域課題にあてはめようとすると失敗する」「地域課題の解決手順は、それとは大きく異なる」と強調し、その2つの違いを解説した。

新規事業と、地域課題の解決 アプローチ手順の違い
新規事業と、地域課題の解決 アプローチ手順の違い

 

写真の左側は企業が通常、新規事業をはじめる際のアプローチ手法。企業はまず利益の拡大を目指し、新規事業を始める。ユーザーの課題をリサーチし、解決策を模索。それを企画案にまとめ、計画通りに実行していくという流れとなる。一方で、地域課題へのアプローチとして重要なことは、“地域の中に入ってみること”。ここをクリアできないと地元の住民や自治体から支援を受けられない。「よそ者という見方をされると、その地では成功しない」(酒井氏)とした。

では、企業はその地域に支社や支店を出さなければいけないのかというと、答えはNoだ。酒井氏は、「サテライトオフィスをうまく活用すれば十分地元に貢献できる」と話す。「週に1日でも、月に1日でも、サテライトオフィスを活用するとともに、地元の住民とコミュニケーションを取ってほしい」。さらに、企業が解決したいと考える課題によって、地元の誰に合えばスムーズに事が進むのかが変わる。これも地域特性の一つだろう。この地元住民の人間関係は、ハブとなる企業(徳島で言えばあわえ等)や自治体の協力者に相談すると良いとした。逆に、企業が地方に進出する場合、その地域にハブとなる企業や自治体がいるかどうかも重要な判断材料になるとする。

地元の住民や自治体の協力を得られると成功の角度はぐっと上がる。一つの地域で解決できた課題は、他の同様の地域でも成功する確度は高い。しかも、事例があると、他の地域、自治体も導入しやすいという。現在、全国には約1700の自治体がある。その半分が美波町と同様、過疎自治体ともいわれている。「1つの成功事例を作ると、他の1700の自治体に広げられる」とし、講演の冒頭で掲げた質問の答えとして、酒井氏は「地域課題の解決は、大きなビジネスだ」とし講演を締めくくった。

 

徳島にサテライトオフィスを開設する企業をセミナーで発掘する

 

株式会社あわえは、人口7000人の徳島県美波町で事業を展開している。事業内容は、地域の「コト(文化、伝統、風習、暮らし等)」「ヒト(地域住民、移住者、交流人口等)」「カネ(地域産業、地域経済等)」を資源として捉え、これら地域資源を磨く各種授業、サービスを通じて地域の活性化を図っている。その一環として、東京の企業を徳島に誘致する活動も行っている。

徳島県地方参入ビジネスセミナー
徳島県地方参入ビジネスセミナー

 

すでにSkeed、アースカラーといった企業を徳島美波町、海陽町への誘致に成功している。

あわえは、どうやってこれらの企業を見つけ出したのか?

あわえが展開している事業の対象は、法人。同社は、まず地方でサテライトオフィスを設立することに関心を持つ企業を集めたセミナーを大規模で開催するという。そこで来場企業とコミュニケーションを図る。その企業が抱える課題や目的意識をヒヤリング、それをもとにその課題解決策を提案し、サテライトオフィス開設の誘致を行う。しかし、この手法では数をこなせない。そこで再度、よりコアな中身の小規模セミナーを開催する。そこで本気で地方の課題を解決したいと考える企業を見極める。

その小規模セミナーでは、より具体的な話をし、セミナー終了後は懇親会も行う。そこから課題をヒヤリングし提案を行っていくとした。「中身が異なるセミナーを二回開催し二回とも出席してくれた企業は、誘致できる角度が高い」と話す。クロージングの機会は、小規模セミナーだけでなく、実際に地元に行く見学ツアーも有効とした。同社は、今後も地域課題を一緒に解決してくれる企業を見つけるため、今後もマッチングセミナーを開催していくとした。

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