会議の質を上げる, 働き方改革

2018年4月23日

『最高品質の会議術』の著者 前田鎌利氏が今日から使える会議術を語る!

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12万部を突破した書籍『社内プレゼンの資料作成術』(ダイヤモンド社)の著者 株式会社 固-KATAMARI-代表取締役 前田鎌利氏が、新刊『最高品質の会議術』(ダイヤモンド社)を発売した。昨今の会議事情について、「会議は業務の40%を占める」「働き方改革と言われているが、会議の効率化で長時間労働を是正できる」と指摘する。同氏がソフトバンク時代に実践していた生産性を2倍にする会議術とは?そのポイントを前田氏に聞いた。

アジェンダ 

  • 書道の道ではなく通信の道へ
  • 2013年9月7日 東京オリンピック決定の日に下した決断とは?
  • 書道の世界の作品(書)をどう見たら良いか?
  • 会議とは?会議のパフォーマンスを上げる3つのポイント
  • 会議に遅れるメンバー、上司への忖度にどう対処すべきか?
  • まったく意味がない会議とは?
  • アイデア会議とQ&A会議。その関係性は?
  • 会議中に内職されたらどうする?
  • 空間とマインドは相関性が高い。会議内容により五感に響く空間を使うことが重要

 

書道の道ではなく通信の道へ

 

東京学芸大学で書道を専攻していた前田鎌利氏は、1995年の阪神大震災で卒業後の進路に迷いが生じたという。「震災で通信の重要性を認識した」「当時、携帯電話はまだあまり普及していなかったので、それを普及する仕事を行うか、元々予定していた書道教育の道に進むか迷った」と当時を振り返る。悩んだ挙句、「書道の世界には、いつでも戻れる」と考えた前田氏は、光通信に就職した。

株式会社 固-KATAMARI-代表取締役 前田鎌利氏
株式会社 固-KATAMARI-代表取締役 前田鎌利氏

その後、2000年に携帯電話の加入者数が固定電話を上回り、携帯電話は一人一台の時代へと突入していく。その頃から、通信がつながりにくいという課題が顕在化してきた。

「モバイルデバイスの普及はある程度目途が立った。今後は通信のつながりにくさを解消したい」と思い、ジェイフォンへの転職を決断した。直後にジェイフォンは英ボーダフォンに買収されボーダフォン・ジャパンが誕生、前田氏は経営企画部門へと異動する。しかし「つながりやすさを改善したかったが、ボーダフォンの英国本社の承認が中々おりず、基地局を増やせなかった」と語る。

2006年にボーダフォン・ジャパンはソフトバンクに買収され、状況は一変した。ソフトバンクは、つながりにくさの改善を重要課題と位置づけ基地局をどんどん増やしていった。そして2010年、ソフトバンク孫社長が、電波改善宣言をし、つながりやすさは劇的に向上した。

ここで大学時代に考えていた「モバイルを普及させ、災害があった際に繋がらないという環境が改善され、つなげたいという想いは一区切りついた」(前田氏)。

 

2013年9月7日 東京オリンピック決定の日に下した決断とは?

東京オリンピック 2020年

孫社長が電波改善宣言をした2010年、孫社長の後継候補を選ぶソフトバンクアカデミアが開講。前田氏は一期生として参加し、初年度にはトップの成績を修めた。また同年、ソフトバンクの新30年ビジョンで、ソフトバンクのグループ会社750社を5000社に増やすと発表された。前田氏は、ここで教育とITを使ったビジネスの事業計画をつくり、孫社長にプレゼンする。それが評価されソフトバンクグループで教育ビジネスを展開していたサイバー大学も兼務、活動ドメインが広がっていった。

その翌年の3月11日、東日本大震災が発生する。メンバーたちと被災地に入り、避難場所で充電器等を配って回った。現地の被災者と話をしている中で、被災者の方から「風化させずに未来に継いでいってほしい」と言われるようことが多々あったという。「そこで、あらためて自分は未来に何を残せるかを絶えず考えるようになりました」(前田氏)。

2013年9月7日、2020年のオリンピック開催地が東京に決定した。この瞬間をテレビで見ていた前田氏は、「自分にしかできないこととはなにか?自分だから次の世代に残せる事をしたい」と思い、ソフトバンクを退職。2014年、書道塾 継未-TUGUMI-を設立した。「オリンピックが東京に決まってなかったら、まだソフトバンクにいましたね」「あの瞬間、自分の中でスイッチが入って、新たなチャレンジをする意欲が沸いた」と振り返る。

 

書道の世界の作品(書)をどう見たら良いか?

株式会社 固-KATAMARI-代表取締役 前田鎌利氏

現在は、日本文化を未来へ継ぐことを志とした一般社団法人 継未の代表理事としての文化活動を行いながら、その一環として自身の書道教室の運営や、海外に日本文化を広める活動(Represent Japan TUGUMI:書のパフォーマンスやワークショップ、講演活動など)を行っている。「パフォーマンスを見る海外の方々は、正直、その書が上手いか下手かわからない。それよりも、なぜこの字を書いたのか。どういう想いで書いたのかを説明すると、現地の人が日本を好きになってくれる。日本に親しみを持ってくれる。その架け橋をアートで実現したい。」と語る。

ここで、作品(書・文字)をどう見れば良いのかを聞いてみた。

プロのアーティストが作品(書・文字)を見る目は2つに分かれるという。「上手いか・下手か」と「好きか・嫌いか」。賞を目指すアーティストは、上手いか・下手かにこだわる。前田氏は作品を見たときに、上手いか下手かより、「自分の中でその作品が好きか・嫌いか」で見たら良いとした。

前田氏の作品

 

会議とは?会議のパフォーマンスを上げる3つのポイント

 

最高品質の会議術
『最高品質の会議術』購入へ

アーティストとしての書家の活動以外にも、17年のビジネス経験をビジネスマンに向けて伝える講演活動やプレゼンテーション、ビジネススキルの企業研修、経営戦略コンサルタント、大学講師などその活動は多岐にわたる。そのような幅広い活動をする前田氏が今回、書籍『最高品質の会議術』を発行した。会議の時間を短くするには、資料の作成時間も短くする必要がある。前田氏は、以前『社内プレゼンの資料作成術』(ダイヤモンド社)を発行しベストセラーとなったが、それは今回の書籍を出す布石だったという。

『最高品質の会議術』は、前田氏自身がソフトバンク在籍時に実践していた会議術をまとめたもの。「会議は仕事の40%を占めると言われている。こんなに時間をかけなくても成果は上げられる。その実践論を伝えていきたい」と今回の書籍を発行した目的を語る。

書籍の冒頭で、まず会議とは意思決定をする場であると記されている。

そして、会議のパフォーマンスを上げるためのさまざまなノウハウが掲載されているが、ここでは、あえてポイントを3つ挙げていただいた。

  1. 70点の意思決定 
  2. 遠慮はするな!謙虚であれ!
  3. 一座建立

1つ目は、70点の意思決定をすること。会議の目的は良い意思決定をすることにある。しかし100点の意思決定を求めると、情報収集や市場調査に過大な時間や労力がかかり、スピードが遅くなる。「100点を捨て70点のラインを決めることが重要だ」と前田氏は指摘する。一方で、「どこが70点か、わからない場合も多い。ただし100点はわかる。そのイメージしている100点を捨てることから始めると良い」。具体的には、「今日の会議のゴールは、3つの意思決定のうち2つ決まればOK」というように、自分で100点ではないゴールを決めて会議に臨むことも重要であるという。

2つ目は、遠慮するな!謙虚であれ!。会議の参加者は、何かしらの目的のために召集をかけられている。参加者それぞれが、「なぜ会議に呼ばれているのか、なぜ会議に参加しているのかを考え、遠慮せず発言すべきであり、発言しないのであれば会議に出る意味がない」という。ただし、発言に謙虚さを持つことも忘れないようにと付け加えた。

3つ目は、一座建立。「一座建立は、茶道の言葉で、参加者がお互い良い場にしようと考え、充実した茶会にすることをいう。会議も一緒で、会議を主催する側、参加する側、双方が良い会議にしようという想いを持たなければ良い会議にはならない。まずはこのマインドを持つことを実践してほしい」と話す。

これらを即座に実行するだけでも効果が出ると熱く語った。

 

会議に遅れるメンバー、上司への忖度にどう対処すべきか

 

会議には、遅れてくるメンバーもいる。前田氏は「私はそのメンバーを待たない。待つと時間通りに会議室に来たメンバーの時間がもったいない。」と話す。キーパーソンが遅れたり欠席する場合はリスケする。そして、キーパーソンであれ、メンバーであれ、「あなたが遅れた(欠席した)せいで、出席者の時間を泥棒しましたよ」ときちんと伝えるという。

会議の場では、上司への忖度も見受けられる。「忖度は本来の意味としては相手の立場に立つことなので悪いことではない」としつつ、「ただし、上司の機嫌を取るという意味合いでの忖度は時間の無駄である。多くの上司はそこで忖度されてもうれしくないし、逆に忖度されて喜ぶ上司は意識が低すぎる。」とした。

 

まったく意味がない会議

失敗会議

続いて、会議の品質をチェックする項目を3つ挙げてもらった。

まず「会議の時間が今まで1時間かかっていたとしたらそれを例えば30分に短縮できるかどうか」と「会議の短縮」を挙げた。「ありがちなのは30分に減らそうとして会議を行ったが、結論が出ないからもう30分延長しようという場合がある。これではまったく意味がない」。どの企業でもよく見られる光景である。

続いて、「ゴールが明確でない会議をしてないかどうか」。結局、会議で何が決まったのか、何のために集まっているのかを参加者が把握してない会議は実施する意味がない。「そういう会議は辞めた方がよい」と答えた。

3つ目は、「意味もなく呼ばれる会議に出てないか、もしくはしてないか」である。よくわからないけど呼ばれたから言ってくるという会議も時間のムダ。出る前に必ず「なぜ呼ばれたのかを聞くことが重要」と話す。その上で、場合によっては自分ではなく、部下が行くというジャッジをする。会議主催者が、自分に何を求めているのか、その意図がはっきりしない会議には出ない。「他に用事がある」とやんわり断りつつ、「部下に出席させ、部下に発言させる。そうすれば部下のモチベーションも創出でき、部下の認知度が他部署にも知ってもらえる機会にもなる」。部下に出席させた会議は、必ず部下に報連相してもらう。「報連相のスキルアップにもつながるので会議とは部下育成の場でもある」とし、会議の見極めは重要だとした。

この3つのうち1つでもあてはまれば、まだまだ会議の品質は低い。「当てはまる場合は即座に変えた方が良い」と指摘した。

昨今、会議のデジタル化が進んでいる。デジタルをベースとした会議のメリットとしては、スピーディー、紙の印刷や廃棄といった工数を削減できる等が挙げられる。一方でアナログ会議は、資料の印刷、資料を取っておく場合の保管スペースの無駄、後からその資料を探す時間がもったいないといったデメリットを挙げた。「モバイルデバイスがこれだけ普及している中、会議をデジタルベースに移行していないのはもったいない」。また、会議では議題事項、議事録、プレゼン資料などのフォーマットを統一した方が良いとした。各自が好き勝手に報告資料を作ると、後からまとめるのに非効率だとした。

 

アイデア会議とQ&A会議の関係性は?

ブレスト会議

会議と一口に言っても目的、内容は多種多様。定例会議、役員会議、経営会議、そしてブレスト会議等だ。

ブレスト会議は、アイデア会議、Q&A会議にわかれる。これらの使いわけをどう行うか。

アイデア会議は、まずはひたすらアイデアを出し合って、グルーピングして収束させていく。具体的には、出てきた意見を付箋に書き、それを壁にペタペタ貼っていき、グルーピングして、キーワードを抽出し、みんなのコンセンサスを取っていく。

Q&A会議は、壁打ち。出てきた方針に対して、さまざまな角度から多数の質問を投げて、ブラッシュアップしていく。

広げていくアイデア会議と、それをとがらせていくのがQ&A会議で、これらはセットでやることもあれば、ある程度アイデアが固まっている場合Q&A会議のみ実施することもある。

これらの効果を上げるためのルールとして、アイデア会議は、アイデアが出やすい5~9人で実施するのがベストと言われている。ただし、大人数を拘束するのは時間がもったいないので、少人数でも良いとした。そして、「一回あたりの会議時間の短時間化を優先させて、ブレスト会議の開催回数を増やす方がアウトプットとしては良いものができる」と話す。

そして、相手の意見を尊重すること。「人を攻めずにコトについて議論すること」「相手を論破する必要はない、アイデアをつぶさないことが重要だ」と指摘する。これらのブレスト会議では、アナログベースがよい。発言者の表情やふるまい、しぐさ等を直接、観察しながら会議を進めていくべきだとした。

 

会議中に内職されたらどうする?

 

前田氏自身が経験した会議の成功事例としては、「ゴールと時間を設定し、それをきちんと達成する。そして、それがショットで終わるのではなく、再現性を実現できるようになったこと」を挙げた。

失敗事例は、「大きなプロジェクトの場合、会議で関係者を全員呼んでしまい、結果、議題にあまり関係なかった人に内職をされてしまったこと」を挙げた。内職を見つけた場合、その人を注意するかどうかについては、「内職をさせてしまっている時点で人選にミスがある可能性が高い。注意する前に召集してしまった自身を反省すべきだ。」と話す。会議を主催する側になった場合、「会議の目的を見極めて適正な人に声をかける必要がある。関係するセクションが実際に意見を求める必要があると判断した時点で会議に召集するなどタイミングも重要。」とした。

 

空間とマインドは相関性が高い。会議内容により五感に響く空間を使うことが重要

会議室

会議を実施するスペースは、「モチベーションや生産性に影響するので重要」だと前田氏は指摘する。「たとえば、陽が当たる場所なのか、当たらない場所なのかでアイデアの発散具合は異なる」。

社内プレゼンの資料作成術
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定例会議は場所よりもスピードが重要なので社内の会議室で良いが、「新しいアイデアを出そう、普段とは違う発想をしてみよう、みんなで同じマインドを醸成しようという場合は、環境を変えた方が成果は大きい」「たとえば、音楽。同じ曲でも自分の部屋の中で聴く場合と、ライブ会場で聴く場合ではまったく感情が異なる」。それと同様、会議はパフォーマンスも含まれていて、感情を動かすものなので、空間、場所は重要だとする。

さらに、「アイデアは、日常生活の延長ではなく、ふとしたきっかけで出るもの」と続ける。「日常使用している会議室では日常の業務を考えるマインドに陥りがちで、よいアイデアが中々出てこない。会議の場所をホテルや貸会議室のおしゃれな会議室で実施すると、気持ちがリセットされ、五感が刺激されることがある。その場所に行くまでのプロセスや環境から新たなアイデアが浮かんでくる」と語る。「空間はマインドとの相関性が高いので、それが必要な場合は、それにふさわしい場所、空間が良い」とした。

今回発行した書籍『最高品質の会議術』に書いたことは、どの企業にもあてはまるかといえばそうではないという。「企業ごとに文化が異なるので実践できることもあればできないこともある。そんな中で、1つでもこれは良さそうというものがあれば取り組んでもらいたい。やると変わる。やらなければ何も変わらない」「実践してみて初めて自部署に有効なものが見えてくる。ぜひ、書籍を読んで実践してもらいたい」として話を締めくくった(BizMICE編集部)。

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