イベント運営ノウハウ

2018年4月2日

【ストーリーで理解:前編】急遽セミナーの会場を予約することに・・検索、相見積り、比較が大変・・

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入社7年目の渡辺は、IT大手X社の営業部門で法人営業を担当している。ある日、上司の木村から、「×月〇日に新規顧客開拓セミナーを開催する。企画、会場手配、運営等を担当してくれるか?」と言われた。渡辺は、以前から新規開拓にセミナーは有効だと認識していた。“なぜ、もっとたくさん開催しないのか?”と思っていたほどだ。良い機会なので、セミナーを定期的に開催できる仕組みを創ろうと考えた。この時、まだ多くの苦労にぶつかるとは想像していなかった。

 

◆登場人物

IT大手 X社  営業部門 法人営業担当(入社7年目) 渡辺
X社 営業部門 法人営業部 部長 木村
X社 営業部門 法人営業部 主任 稲垣
マイスホテル 営業部(X社の営業担当) 石川
MICEホール 営業部 佐藤

 

◆アジェンダ

前編

  • 会場データベース(DB)がない
  • 会場の空き確認、相見積り依頼、そして工数がかかる比較表作成

後編

  • あれ、この項目はこの会場と詰めたか?
  • Excelでセミナー運営を管理する、の限界・

 

会場データベース(DB)がない

 

渡辺は、前回実施したセミナーで企画運営を仕切っていた先輩の稲垣に報告・相談しに行った。

渡辺「稲垣先輩、×月〇日に開催する新規開拓セミナーの企画運営を担当することになりました。どう進めれば良いか教えてもらえますか?」

稲垣先輩「今回の担当は渡辺か。了解した。いつでも相談に乗るよ!」

渡辺「ありがとうございます。まずは何をしたらよいのでしょうか?

稲垣先輩「開催日が決まっているなら、まずは会場予約。会場を押さえないとセミナーは開催できないからな。前回は、マイスホテルを利用したから、その担当者石川さんの連絡先を教えるよ!」

渡辺「ありがとうございます!さっそく連絡して予約します」

会議をするビジネスパーソン

渡辺は、マイスホテル石川に連絡した。「×月〇日に前回同様のセミナーを開催予定です。その日を予約したいのですが・・」。

「少々お待ちください」と石川は答え、その日の在庫を調べた。「すみません。その日はすでに予約が入ってしまっています」。

空いてないとは予想外だ。“会場を押さえないとセミナーは開催できない”といった稲垣先輩の言葉が脳裏をよぎった。「やばい・・」「×月〇日にセミナーを開催できなかったらどうしよう」。焦った渡辺は急いで稲垣に相談に行った。

渡辺「マイスホテルは予約できませんでした。すでに他が予約していました・・」

稲垣先輩は、「そうか。それは残念。他の会場を探すしかないな。どちらにしても会場を予約するには稟議承認が必要だ。稟議には比較表がいるので、いくつか会場を調べて押さえといてくれ」とあっさり答えた。

「そうか。会場はマイスホテルじゃなく、他の会場でも良いのか」。渡辺は少しほっとした。

「会場データベース(DB)はないですか?」

稲垣先輩「ないな。作る必要はあるが、みんな手一杯でそこまで回ってない。いくつか目的にあう会場を検索してみてくれるか?」。

渡辺「ないのか・・」

渡辺は、さっそくネットでマイスホテルと同規模、同予算の会場を探し始めた。会場といってもホテル、ホール、貸し会議室等、色々ある。“どういう基準で選択すれば良いのか?”迷った挙句、ホテル、貸し会議室など候補を10会場に絞りExcelにまとめた。検索、候補出しだけで半日はつぶれてしまった。「会場データベース(DB)があればこの時間は削減できるのに・・」「セミナーは重要な新規開拓のプロモーションなのに、それを開催する肝心の会場データベースがないのは非効率だな・・」と渡辺は思った(1)。

セミナー会場

会場の空き確認、相見積り依頼、そして工数がかかる比較表作成

 

次に、×月〇日が空いているかどうかの確認だ。Webに空き状況が載っている会場もあるが、ほとんどが載ってなかった。渡辺は、10会場に電話やHPのお問合せフォームから空き確認をした(2)。

最初に電話したのは、MICEホール。営業担当の佐藤が電話に出た。

渡辺「〇月×日に100名規模のセミナーをしたいのですが、空いていますか」

MICEホール佐藤「時間帯な何時から何時までですか?」

渡辺「12:00~18:00を予定しています。」

MICEホール佐藤「12:00~18:00ですね。はい、空いています。仮予約※しますか?」。

仮予約?渡辺ははじめて聞いた言葉だった。

仮予約とは、それを申請した日から約1週間(会場によって期間は異なる。仮予約を受け付けない会場もあり)、他社から予約が入らないように、そのルームを確保しておくことをいう。仮予約の申請は無料、仮予約をリリースしてもキャンセル料は発生しない。

渡辺は「仮予約、お願いします」と答えた。

MICEホール佐藤「承知しました。それでは仮予約しますので、今回のセミナーの主催者名、テーマ、集客規模、目的を教えてもらえますか?」と質問した。

これを聞く理由として、「会場は、この質問の回答内容で貸し出し可否の判断をします。また、同日に別ルームで主催者の競合企業が利用しないかもあわせて確認します」と丁寧に教えてくれた。

残りの9会場にも空き状況を確認。空きがある会場には仮予約を入れた。その際、マイスホールと同様、主催者名、テーマ、目的、集客規模等をヒヤリングされた。渡辺は、「会場にとってこの情報は必要なので、この情報を会場がきちんと取れて、なおかつ両社ともにこのヒヤリング時間を効率化できないか」と考えた(3)。さすがに同じことの繰り返しにムダを感じたのだった。

 

渡辺は、10会場に空き確認をし、5会場を仮予約した。取り急ぎ、〇月×日にセミナーを開催できる目途が立ち、ほっとした。「セミナー開催の準備を任され、最初の大きな山場は、会場確保の目途だな」と実感した。

しかし、それも束の間、すぐに次の作業が待っていた。5会場に相見積りを依頼することだ。前回のセミナーで利用した会場の請求書を経理からもらい、どの機材・備品を使ったかを確認。それをもとに今回も利用するであろう機材・備品項目を洗い出し、5つの会場にそれぞれメールで見積りを依頼した(4)。

見積り書

見積りを待つ間、5会場のスペック等を各会場HPで調べた。見やすいHPもあれば、見にくいHPもある。「レビューがあれば参考にしたい」と思いつつ調べたがなかった。比較表の比較項目を検討した。項目によっては会場HPに掲載されておらず、電話で確認した。結果、1日がかりで比較表を完成させた(5)。

そこに会場から見積り書が届く。PDFや、メール文面に直打ち等、その形態はさまざまだ。見積り項目も会場によって項目ワードが変更されている。共通の費用項目が何かを整理しながら比較表に加えていった(6)。その作業でさらに半日要したのだった。

比較表

渡辺はここまでの作業を洗いなおした。

目的にあう会場の検索、空き日時の確認、仮予約、相見積り、比較表作成。

渡辺はよく旅行に行く。予約はもっぱらネットで完結させる。会場予約でもある程度、会場情報がまとまっていて、比較や相見積りができたら良いのに・・・。

渡辺が、それらをネットでサポートする“MICEコンシェル”の存在を知るのはもう少し後だった。(BizMICE編集部)

会議室、ホールの検索・比較・予約はMICEコンシェル

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