表参道の骨董通りと青山学院大学の間に位置するアイビーホール。同スペースを運営するのは学校法人青山学院が100%出資するアイビー・シー・エスだ。同社のスローガンは、変化への挑戦。ブライダルを中心に成長してきた同スペースだが、最近は企業向けのセミナーや会議、採用、研修にも力を入れる。アイビーホールの戦略について、アイビー・シー・エス 総支配人 木村壮児氏、 マーケティンググループ 鶴岡将太氏、営業部 内田実里氏に話を聞いた。
アジェンダ
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チャペルで入社式も可能
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企業とのコラボ料理にも挑戦！
チャペルで入社式も可能
1968年に設立されたアイビーホールは、ブライダルをメインにスタート。その後、青山学院の迎賓館的な位置づけでパーティー、記念会、懇親会、同窓会の利用が増えていった。昨今は、企業向けの利用にも力を入れているという。同スペースの運営方針について聞くと、「おもてなしを重視するスペースにしたい」（木村氏）、「ホテル並みのおもてなしで利用料はリーズナブルに」（鶴岡氏）とする。
ハード面でまず、それを目に見える形にしたのが、建物内の導線のわかりやすさだ。エントランスを入れば白を基調としたロビーが広がり、一目でレセプション、エレベータ、階段、ソファーセットの位置がわかる。来場者はまよわず目的地に行くことができる。
「お客さまのニーズにあわせて会議室、宴会場を提案できる」と内田氏が話す通り、同スペースには、それぞれデザインが異なる15の会議室、宴会場がある。
たとえば茶色を基調にした3Fのナルドは落ち着いた雰囲気で会議を行うことができる。白とピンク基調で明るい印象の2Fミルトスは女性向けの研修、懇親会、会議や製品発表会等に利用されるという。同スペースのフラッグシップとなる地下2階のサフランは、シアター席で300名弱、スクール席で200名弱収容できる。地下なので音を気にすることなく、ホワイエも受付やブースに利用することができる。「サフランは地下ですが、天井高が4.3mあるので閉塞感を感じないですねとよく利用者に言われます」と内田氏は語る。
さらに、同スペースにはチャペルが2室ある。「チャペルに入って席に着くと、なぜか心がスーっとします」と鶴岡氏は話す。チャペルも空きがあれば利用でき、入社式や講演会、コンサート等に使われるという。
企業とのコラボ料理にも挑戦！
ソフト面でも、おもてなしの心でお客さまと接する。1つの会合に必ず担当者が必ず一人つき「レイアウト等、ニーズを細かにヒヤリングし対応する」（内田氏）と話す。また同スペースの特徴として「調理場が建物内にあるのは大きい」（木村氏）と語る。
例えば食品会社が懇親会を開催する際にその会社の素材を使用した料理を提供するなど柔軟な対応も可能。キユーピーの新入社員歓迎会では、同社が考案した渋谷生まれのサラダ「＃シブサラ」をメニューに取り入れる企画を実施した。
また、国際的な会合が実施される際は、ベジタリアン向けメニューやハラルメニューの対応も可能。大使館が会議をするケースもあり国によっては料理にも注意が必要でそれにも即座に対応できるとした。さらなる利用者の利便性向上について、デジタルサイネージを使ってカンバンを見やすくする、Wifi完備や会議室の空き状況のオープン化を今後の目標とした。
同スペースの利用用途は、セミナー、会議、研修、入社式、記者会見、株主総会等が多い。アイビーホールは表参道という東京のど真ん中にあり、近隣はオフィスの賃料が高い。そのため、会議室を自社内で持たない企業も増えており、「近隣の企業が会議室を定期的に利用してくれている」と鶴岡氏は語る。
他にはドラマのロケ、コンサートやドラマの打ち上げのスペースとして利用されることもあるという。イベント関連も多い。日本の未来を担う10代を応援する「超十代」は全フロアをジャックし開催された。
変化への挑戦を掲げ、スペースの利用をブライダルから企業へと拡大、企業とのコラボ料理を積極的に推進、利用者の利便性を高めるIT化等を進めつつ、個別のお客さまへの対応はおもてなしを重視する。
「普通の会議室ではできないことにもチャレンジしていきたい」「演出等も含めていろいろな相談をしてほしい」と鶴岡氏、内田氏は語る。さらに、総支配人 木村氏は、「宿泊施設のないホテルを目指す」とし話を締めくくった。今後のさらなる挑戦、変化に期待していきたい。（BizMICE編集部）
