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2018年5月10日

イベントチケット販売大手ぴあ 過去3年間の振り返りと今後3年間の戦略

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チケット販売大手のぴあは5月9日、2017年度(平成30年)3月期の決算を発表した。音楽、スポーツ、演劇等、イベントのチケット販売は好調に推移。売上は前年度106億円増の1,635億円となった。一方、営業利益は、前年度5億6,400万円減の12億円にとどまった。セキュリティ強化に向けた組織やシステム両面の対策や人気興行獲得の経費が圧迫した。

アジェンダ

  • ぴあが掲げる課題とは?
  • ラグビーW杯や国際的人気イベントのチケッティングオペレーションを狙う

ぴあが掲げる課題とは?

花火大会

ぴあは、2015年からの3年間、3つの柱からなる中期経営計画を発表していた。1つ目は、既存事業の安定的な成長、2つ目は、メディア・コンテンツビジネスの新たな取り組み、3つ目は、ぴあチケットの販売とメディアの融合によるビジネスモデルの強化だ。2017年度が3年目で本計画の最終年度となるため、ぴあは本計画の総括を行った。

(1)既存事業の柱は、チケットぴあ だ。本事業の売上高は最高値を更新し成長を維持した。2017年度は、平昌冬季五輪で国内チケットの総販売代理店や、2019年ラグビーW杯日本大会の観戦チケットを1月より抽選申込を開始するなどを行った。また、チケットぴあでの購入体験を拡充。購入回数に応じて特典をつける、お客様に代わり、自動的にチケットの抽選に申し込んでくれる等で売上増に貢献した。ジャニーズやAKBといった人気イベントのチケットは高額転売が社会問題化しているが、それに対応するイベントチケットの公式2次流通サイト「チケトレ」を開始した。

(2)メディア・コンテンツビジネスの新たな取り組みは、音楽のPMC(ぴあフェス)、スポーツの大相撲 仙台場所・なにわ場所、ミュージカルのSINGIN’ IN THE RAIN、 イベントの神宮外苑花火大会等、ぴあが主催する興行を拡大し、話題の公演にも出資した。毎年3、9月に実施しているパンのフェス2018春 in 横浜赤レンガでは、イベントと出版物の連動を行い、3日間で14万人来場等、多くの話題をつくったが、ダイナミックなビジネスモデルには至っていないとした。

(3)チケットサービスとメディアの融合は、セブンイレブンの7&iグループとのさまざまな取り組みを挙げた。たとえばミスチル公演の共同販促、フリーマガジン「7ぴあ」の発行等、セブンイレブン以外にもファミリーマートやauとも協業。ファミリーマートとは、フリーマガジン「ぴあclip!」を発行、auとはスマートパス会員向けエンタメサイト「up!!!」を運営する等を行った。さらにユーザー体験を拡充。チケット販売からメディアの発行、グッズ製作や販売、イベントの企画・主催のトータル展開も行った。ただし、こちらも新たな収益軸の確立には至らず、引き続き、ぴあならではのビジネスモデルの強化と多様化を図るとした。

これら以外の2017年度の主なトピックスとしては、横浜みなとみらい地区の大型音楽アリーナ建設の着工(2020年春完成予約)、一般社団法人「チームスマイル」による復興支援活動等。後者には、ちばてつやさん、高橋尚子さん、佐藤可士和さん等が参加した。

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ラグビーW杯や国際的人気イベントのチケッティングオペレーションを狙う

 ラグビーW杯

ぴあは本年度から2020年度までの3年間で、新中期経営計画を発表した。柱は3つ。

1つ目は、チケットぴあを柱としつつ主催興行をさらに強化。横浜みなとみらい地区の大型音楽アリーナ運営事業の立ち上げを進め、ライブコンテンツの供給からユーザー体験までトータルでの提供を目指す。

2つ目は、2019年ラグビーW杯をはじめ国際大規模イベントのチケッティングオペレーションを通じて、さらにブランド価値を高めていく。

3つ目は、新規事業の開発や昨今話題の働き方改革を進めるとした。(BizMICE編集部)

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